アスベスト調査の知識!建築用仕上げ塗材採取の注意点

アスベスト分析に使用する、建築用仕上げ塗材の採取における注意点について解説します。既存の建築物の改修工事や解体工事を行うとき、仕上げ塗材層にアスベストが含まれているのか否かの確認が必要です。ちなみに、過去に重量0.1%を超えた石綿使用の仕上げ塗材は、日本建築仕上げ材工業会が公表を行っているアスベスト含有仕上げ塗材・下地調整塗材に関するアンケート調査結果で、種類や販売期間、含有量などの確認ができます。そのため、これらの情報を基にヒアリング結果や現場での調査結果などからアスベストの有無の確認ができるときは試料採取を行い分析する必要がありません。

ただ、多くの設計図書は特記仕様書の中で仕上げ塗材の一般名の記載が行われていて、数社の製品から選択可能な状態になっているので調査対象の現場で使われている製品名の特定は困難です。このようなケースでは試料を採取して分析が欠かせません。試料を採取するときは、粉塵が飛散しないよう無塵水を散布し、カッターナイフやスクレーバーなどの工具で表面部分から内部に刃先を入れて少しずつ剥離します。施工部位の3か所以上を目安に、1か所あたり10立法cmを目安に採取して密閉容器に入れます。

なお、薄付け仕上げ塗材(砂壁状仕上げなど)は、上塗り材が使用されていない、下塗り材もほとんど層を形成していないなどの理由から塗材と下地との界面にスクレーパややカッターナイフなどの工具を使って採取します。薄付け材料の塗膜は3mm程度以下などの理由から採取するときは比較的広範囲の面積を対象にすることが大切です。

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